怒られないための人生
今俺は、日々何のために仕事をしているのだろうか?
上司に怒られないため。
バイトのスタッフに怒られないため。
SVに怒られないため。
上司に怒られないために期限内に資料を作るよう努めて、期限を過ぎたら謝罪して、そうしてできる資料は「こうしたら怒られないだろう」という文章を寄せ集めた「怒られない資料集」
バイトのスタッフから不平不満が出ないようシフトを作り、極力カットしないように入れる。入れすぎるとSVや上司から怒られるので、どちらからの怒りも少なくするようにする「怒られないシフト」。かといって、正直自分の身を粉にして働きたいとは思えない。もちろん、会社のルールである一日10時間は働くが、それ以上自分が犠牲になってまで働く意義が感じられない。正確に言うと「なんでこんなことをしてるんだろう」と胸が苦しくなる。
SVに怒られないため、発言には注意する。一年間付き合ってきてある程度正確はわかってきた。こうしたら怒られないだろう、これなら穏やかだろう。常にそんなことを考えながら話している。とはいえこれはSVに対してだけではない。上司、スタッフ誰と話すときも怒られないように発言を選択してがら発している。「怒られない発言集」で会話をする。
なんなんだろう。この人生。唯一、あまり気にせず話せるのは母親と彼女とペットのフェレットくらい。
もちろんそういう存在がいるだけ幸せなんだろうけど、なんだかすごく肩身が狭い。
こんな生活がいつまで続くのだろうか。
このまま怒られないように体裁を保ちながら生きていくのだろうか。
自分に嘘をつきながら。
この会社に入る前に抱いていた理想の自分はどこにいったのだろうか。
辛くても、必死にお客様の為に何をできるか考え、少しでも相手の役に立てる何かをしたい。それに全霊をつくして仕事に勤しみたい。
そう思っていた自分。
どこで歯車が狂ったのだろうか。
この会社に入ってから?
今の店に入ってから?
俺は、今、「人に怒られないように」生きている。
俺はそんなことの為に生まれてきたのだろうか。
だとしたらなんとつまらない人生だろうか。
人生なんてそういうもんだ、と誰かが言いそうだけど、本当にそうなのだろうか。
羽を伸ばして、生き生きと楽しく働くのは幻想、夢物語なんだろうか。
どんなに辛くても、苦しくても、笑って働いて、生き生きと仕事をする姿。
そんなものは理想でしかないのだろうか。
どうしたら、今を打ち破れるのだろうか。
わからない・・・