理想の自分
オーディオセミナーを聞いていて、サトリさんの話を聞いて考え出したことがある。
理想の自分。
今まではなにかと理想に自分を抱くことを禁じられていたような気がする。
楽しく仕事がしたい。
「仕事はつらいものだ。」
仕事がきつい。
「仕事なんてそんなものだ。」
常識というものが、自分の中の思考や行動に制限をかけているように思える。
また反面、批判されるのが怖くて、自らその常識の枠の中に入り込んでいるようにも思える。
人に傷つけられたくないから。普通でないことが怖いから。
そうして、気が付いたら、封じてきた理想の自分。
小さいころに思い描いた、ヒーローになりたい理想。
そんなような感じで、いつの間にか、なりたい自分はというのは封じ込めるものなんだと思うようになっていた。
そういう枠組みを外すことが許されるのであれば、今の自分のなりたい自分は
「辛くても、学びとワクワクの中で仕事をすること」
「相手の為に、お客様の為に仕事をすること」
前の会社で働いていた時、とにかく最初は辛いことばかりだった。
思い悩んで、辛くて苦しくて、お客様も上司も怖かった。
3~4年目くらいの時、本当にふとしたきっかけで、「相手の為に」やることの喜び、何かを与えてあげることのできる喜びを知った。
それからは自分の中で仕事に取り組む姿勢が変わったもちろん、そのきっかけからすぐに変わったわけではないが、長い期間を経て、その経験が自分を変えていった。
やめる前なんかはとにかく相手のためを思おうとしていた。
最初は辛くて苦しかった営業。
いらないものをお客様に売りつけているような背徳感。
そんなものに悩まされてきた。
いろいろ勉強して、20万円くらいする営業のDVDを見て自分がたどり着いた答えは「相手の為に」だった。
とにかくひたすら目の前にいる「相手の為」を思うように努めた。
獲得件数、自身の利益、店の利益、上司のプレッシャー。
いろんなものが営業中に頭に浮かぶ。
その度に自分の腕をつねって「邪心だ。私利私欲は捨て、相手のためを思え。この一件を獲得することによる自分のメリットは一切考えるな。この商品、商材を与えることによっての相手のメリットだけをひたすらに考えて、お話しするんだ。ほんの少しでも、この商品、商材を相手に売ってあげることによって、相手が幸せになるのであれば、そのためだけに全力を尽くせ。相手を幸せにしてあげるために全力を尽くせ。それ以外何も考えるな。」
と念じていた。
仕事が始まる前は、誰も来ない時間にきて、発生練習をして、上記のようなことを念じて仕事に取り組んだ。
別にそれが正しいとか、自分を正当化するつもりはない。
ただ、前職のときはそういう思いを常に持ち、仕事に励んでいた。
その思いを持ったまま、今の会社に入った。
思いが膨らんで、「今こうして、目の前の相手の幸せを願うだけでなく、自分が会社の上に立ち、より多くの人を幸せにしたい。」
そう考えて今の会社に入った。
もちろん、完璧にそう「思えていた」かどうかはわからないけど、少なくとも、相手の為を「思おう」としていた。
今の会社の理念にも「お客様の為に」という文言があり、きっと自分の道を実現するには良い道だろうと考えて入社した。
正直に言うと、離婚した親父の会社ということもあった。
とにかくその思いで入社して、その思いで働いた。
今までとは違う職種な上、会長の息子ということも多かれ少なかれプレッシャーに感じた。
でも夢の為、理想の為、必死に歩もうとしていた。
別に何か特別なきっかけがあったわけではないが、今は正直、その情熱が消えかかってしまっている。
意識が自分の方にばかり向いてしまっている。
駄目だとはわかっているけど、そうなってしまう。
初めての飲食(しかも生涯ずっと避けてきた職種)、初めての店長、という立場に心動かされてしまったのか、会社の体制に失望したのかわからない。
少なくとも、理想の自分を掲げるなんてダメなんだと、気が付いたら自分に言い聞かせるようになっていた。
自分の夢にも理想にも目を背け、絶望していた。
「お客様の為に」ってなんだろう。
理念のひとつに「お客様の為に」というのはあるが、飲食会議、全体会議の時、売り上げ、客数の話は出ても「お客様の為に」なんて発言はでてきたことはない。
じゃあ、やっぱり「お客様の為に」って何?
正しいどうかはわからないけど、常に俺はお客様のためにやれ、と自分に言い聞かせていた。
正直、この会社の「お客様の為に」という言葉は、売り上げ、会社の利益、自分の利益を正当化するための詭弁のように聞こえる。
自分だってそうだったかもしれないし、どの会社もそんなもんと言えばそんなもんなのかもしれない。
「お客様の為にというのも利益が出ているうえでなりたつんだ」と言われればばそんなもんだと思う。
でも、夢とか理想ってそんなもんなんだろうか。
「一円でも利益をだそう!」とか「黒字にすること!」
という言葉は飛び交うのに、なぜ、「相手の為に」、「お客様の為に」、という言葉は常に影を潜めているのだろうか。なぜ、利益や黒字の「先」のことは出てこないのだろうか。
それでは黒字や利益を出すことが目的なのか、お客様のためにやることが目的なのかわからない。
少なくとも、本当に、本気で、お客様や地域社会のことを思っているのであればもっと「こうすることがお客様の為なんじゃないか」、「こうすればお客様にメリットがあるんじゃないか」という言葉が飛び交うのではないか。
繰り返すけれども、会社なんてこんなもんだ、とか、自分のことを棚に上げて、とか言われたら言い返せないけど。
そんなこんなで、少なくとも今は、理想も夢も消え、ただ毎日を無難に生き、仕事終わりのビールを飲むことが目的の毎日となってしまっている。
部下に、上司に、お客様に怒られない為に、発言し、行動して、資料を作って、毎日を生きている。
本当にこのままでいいのだろうか。
これが自分の思い描いていた理想の自分なのだろうか。
そう思って、一回聴いて、それきりになっていたオーディオセミナーを再度聴き始めて、人と会うことの大切さを知り、サトリさんからもお話しいただいたこともあり、理想の自分について改めて思いを巡らせていた。
今思いつくのは、「辛くても、ワクワクと学びの中で毎日必死に仕事をする。そうして少しでも人のお役に立てることをする。」というもの。
とにかく、今は知識も経験も思想も足りない。
日々勉強して、いろんな人に会って、自分というものをもう一度見つめなおしてみたいと思います。